No!SoftBank別館 - 再生可能エネルギーと全量買取の話

太陽光発電などの高額買取にNoを突きつけろ。再生可能エネルギーと全量買取についての問題点と妥協点、解決法などを探っていく予定。

自治体が地元企業と連携して発電事業やるなら、太陽光42円買取でもいいんじゃないかなーという話

ソフトバンクと自治体がメガソーラーでズブズブ!地元の有志の計画が潰された話 @masason #softbank - Togetter
http://togetter.com/li/314736

紋別市の地元の有志の方がメガソーラー計画について話す。 @masason #softbank - Togetter
http://togetter.com/li/316185

ソフトバンクと紋別市がメガソーラーでズブズブ、地元の有志の計画を全力で蹴る。
http://nosoftbankno.blog84.fc2.com/blog-entry-171.html



ここでまとめた通り、北海道の紋別市が地元の有志の案を蹴って、東京資本の企業ソフトバンクにメガソーラーのための土地を貸すという素敵な結論を出したという話の続きです。

東京資本の会社に土地を使わせる事になると、結局自治体に落ちるお金は固定資産税を含む土地利用料ぐらいのもの。
当然ながら経済効果もほとんど無いし、結局は甘い汁を吸われ続けておしまい、という未来が見えます。
なら、東京など大都市資本の企業を誘致するより地元企業や地方銀行を巻き込んで、全て地域内で完結させてお金を循環させる方がずっと良いし、それこそが目指すべき姿なんじゃないかなと思うようになりました。
そして、自治体や地元企業が積極的に事業を行うのであれば、太陽光の42円買取を始め高額な買取価格でもまだいいんじゃないかな?と。 そんなお話です。

 

まあそんな風にハッキリと思えたのはScallopYutaさんのツイート、狐さんのツイート、そして6/8に行われた「自然エネルギーは地域のもの」というシンポジウムを観たおかげ。

 

自然エネルギーは地域のもの」前半
Video streaming by Ustream

 

自然エネルギーは地域のもの」後半
Video streaming by Ustream

 

残念ながら太陽光の話は出てきませんが、地域に根ざした小規模水力や風力、バイオマス発電などについて実践されている人の話を聞く事の出来るシンポジウムでした。
この話が出てくる第3部にはお馴染み狐さんが登壇されています。
予想以上に物腰が柔らかく、話し上手だなと。これぞ自然エネルギーに携わる人という印象です。 飯田哲也とは違います、ええ。

 

いずれの話も大資本を地方に呼び込んで事業を行わせた場合のデメリット、地元のみで事業を行うメリットをしっかり説明されていて、タメになります。
1人の持ち時間が短いのが残念でしたが・・・

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という事で、詳しくはアーカイブを観ていただければ良いかと思います(Ustなのでソフトバンクがらみというのが残念だけどな!)が、このプレゼンないしツイッターにて、ソフトバンクの誘致を決めた群馬県榛東(しんとう)村の甘い期待が全否定されています。

 

観光・環境教育の拠点に メガソーラー計画の榛東村 群馬 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120307/gnm12030702120000-n1.htm

 

前の記事でも紹介しましたが、とにかく甘い。
何でこんなにことごとくやらかしてるのか。

 

太陽光発電による知名度アップ → 他でもメガソーラーやるんだから大して効果無いよ。あ、もしかしてソフトバンクCMの約束でも取り付けた?でも一時的で終わるよ

・メガソーラーを中心に観光開発 → 風力発電の風車では全く効果無し、風車ゴーフレットを売ってるぐらいしか・・・太陽光発電でも同様と思われる。別にメガソーラーは珍しくはないし。そんなので人は来ません。これまで三セク事業で全国津々浦々で失敗してきたでしょうが。

・発電所を自然エネルギーを学ぶ「環境学習施設」にしていく → ハコモノ? ソフトバンクと協議って時点で費用負担は全て村になるのが目に見えていますし、それでどれだけ人が来るんですか? そもそも自然豊かな村というのがウリなのに思い切り人工物を置いてる時点で矛盾してる事には気付かないんでしょうか。

・同社の関連施設ができれば法人税収入も見込める → 出来るわけないじゃないですかw 出来たとしても所在地は東京です。ばんえい競馬を運営するソフトバンクプレイヤーズですら所在地は東京です。

・災害時の村内への優先配電も期待 → 無理。普通に考えればわかるだろ・・・これが出来るなら停電時にPPSから電力供給を受けられるはずですが、実際はまとめて停電。

あと恐らく雇用に関しても甘い幻想を抱いているでしょうが、メガソーラーには人は基本的に不要です。
何かあっても東京から行けばいいだけなので、現地に人は必要ないですね。

ちなみに鳥取の崎津地区に関しても「正式な文書が無かった」なんて理由で先日ようやく協定の締結を行っていたりしますが、中身を見てもやっぱり激甘です。

 

崎津のメガソーラー実現へ 26日に協力協定
http://www.nnn.co.jp/news/120613/20120613012.html

 

結局、地方が都会に利益を吸い上げられる構造なんですよね。
みすみすチャンスを都会の大資本に丸投げして、自らエネルギー植民地に成り下がるって悲しすぎる・・・
この土地を使って地元企業や自治体自らが発電事業を行えば、どれだけ大きな利益になるのか。
さらに、売電よりも自家消費する方向に向かえば、それこそ災害時に電気を使う事が出来ます。安全保障を確保出来るわけです。
まあアホな自治体はその利益をアホなハコモノに突っ込みかねないですが・・・

 

・・・とにかく。

 

孫正義並びにソフトバンクが自分らの利益のためだけに42円買取のロビー活動を行いその通りになりそうなわけですが、そんなせっかくのお膳立てを利用しない手は無いと思うんですよ。

42円買取なら、失敗しても損する事はまずありません。
自分たちだけでやれば絶対にメディアが注目します。
ドイツでもそうです。
シェーナウの想い」という映画がありますが、これはドイツのシェーナウ市が市民の市民による市民のための自然エネルギー電力供給会社を作る姿を追ったドキュメンタリーです。
こんな風に取り上げられるチャンスですよ。よっぽど町おこしになります。
そんなチャンスをみすみす捨ててる自治体がいかにアホなのかって話です。

 

そして、そういった事にやる気が起きる買取価格であるなら、自治体と地元企業と地銀といった地元だけの連携で全てやりきる分に関しては賛成してもいいんじゃないかなと思うんです。
それこそ国益。自治体が賢くなってうまく立ち回れるようになる事は良い事だと思いますので。
ソフトバンクになんかわざわざ利益を献上するような事はやめましょう。

メガソーラーはなぜゴミなのか

メガソーラーはゴミであります。

 

というのも、基本的に電力会社以外が今後設置するメガソーラーは売電目的でしかないシロモノだから。
売電目的のメガソーラーは電力会社の送電網と接続して電気を売る事になります。
という事は、分配変電所なども電力会社の設備を使う事になります。

 

で。
停電というのは送電設備が止まった場合に起こるのが大半かと思いますが(ブラックアウトはまた違うけれど)、基本的に停電になると送電網がシャットアウトされて送電が不可能です。
でもこんな時でも太陽光発電なら昼間は電気が使えるね! なーんて事は無く、送電がどこにも出来ないので完全なゴミと化します。
近隣の家庭や施設に電力供給は出来ません。
そういう送電のための設備を設置してるなら別ですけど、売電目的でコスト削減で大儲け!な阿呆共はそんなもの設置するわけがありません。

 

さて、ソフトバンク子会社・SBエナジーが京都に京セラと共同でメガソーラーを作ると発表していますが、この予定地の近くには病院があるそうです。
では、もし停電が起こった場合、このメガソーラーは病院に電力を供給出来るのでしょーかっ!?
・・・出来るわけありませんねぇ。
病院は非常電源を用意はしてますけど、命を守る機器を中心に電力供給しますので照明などは最低限しか無いというのは去年の計画停電時に皆様ご存じかと思いますが。
非常時に全く役に立たない太陽光発電なんぞゴミ中のゴミです。環境破壊の粗大ゴミです。

 

結局のところ、自家消費出来ないような再生可能エネルギー発電なんてのはゴミでしかないんです。
特にメガソーラーは土地は無駄に使うクセに役に立たない。
だから反対するんですよ。
しかもソフトバンクというか孫正義曰く「大規模でもコストが変わらん」とかほざいてたりしますし。大規模でもスケールメリットってやつが無いのなら分散させた方が後々が楽なはずなんですが。どうせ嘘の内容を報告してるんでしょうね、42円で買い取らせるために。

またドイツで太陽光発電のメーカーが破綻したわけだが

ソーラーパネルメーカーの破産申請相次ぐ、ソルテクチャーに続きソベロも 国際ニュース : AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2879828/8993981

 

一時、生産量世界一となったドイツQ-CELLSの破綻から2ヶ月足らず、また破綻のニュースが飛び込んできました。
Q-CELLSの破綻についてはこちら→http://greenpost.way-nifty.com/softenergy/2012/04/q-cells-1aef.html

 

ソルテクチャーという会社が先日破綻したようなのですが、さらにソベロという会社も破綻したというニュース。
このソベロ、元々Qセルズとアメリカのエバーグリーン・ソーラー(※去年8月破綻済み)とノルウェーのリニューアブル・エナジー(住友が出資している模様)の3社の合弁会社だったそうですが、一昨年にドイツのファンドに売却していたとのこと。
ちなみにエバーグリーンは中華ファンドに売却済み。

 

まあこれだけホイホイと破産が起こってたらダメですよね。
ハードでは中国メーカーに勝てないというか体力が保たないって事が証明されてしまったって事でもありますし。
で、ドイツでは製造業よりも発電設備のメンテナンスなどなどのサービス業で雇用があるという話なのですが、製造業捨ててそっちにシフトするのはドイツという国を考えると自殺行為でしょうね。
既にFITによる電気料金アップで望まずそういう方向にシフトしていってるみたいですけどね。ドイツ第三位のアルミ製造会社が破綻したりね。
さらに今後、脱原発の方針を決めたとの事ですので、自動的にこういう流れは加速していくでしょうね。
・・・スウェーデンみたく、途中で再転換しなきゃいいですけどね?

 

で、日本ですよ日本。
これと同じ流れが起こる事、目に見えてるでしょ?
太陽光関連の会社が破綻もしくは部門の身売りをしたり、製造業もどんどん破綻していく。
特に製造業は捨てられないっすよ、日本。
あ、パナとかソニーとかシャープとかの大企業の話じゃないですよ。国内を、世界中を支える数々の中小企業があるから言ってるんですよ。
このままヨーロッパの失敗例をトレースしながら行って、日本の製造業をぶっ潰す結果になったら・・・と考えると本当に怖い。

 

俺が高額な全量買取に反対する理由はこういう事です。
孫正義、ソフトバンクが不当に儲ける」なんてのは二の次ですよ。
守らないといけない物があるからです。

No!SoftBank別館立ち上げ

孫正義がロビー活動を行ったおかげで高額な買取価格のまま成立してしまいそうな、再生可能エネルギー発電の全量買取制度。
どう見ても色々と問題点があるどころか山積みなわけで・・・
先駆者のドイツ・イタリア・スペイン・イギリスなどのヨーロッパ各国でも問題が表面化しまくってますしね。

という事で、このブログでは、ソフトバンク・孫正義の問題点を指摘するという枠を超えて、再生可能エネルギー発電とその買取についての問題点に踏み込んでみようというブログです。
あんまりソフトバンク以外のネタをあっち側でやりたくないよな-、という理由もあるのですが。

基礎知識はこちら。

孫正義らが喜ぶ、太陽光発電の買取価格42円は高すぎる!その理由 @masason #原発 - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2133558874449030801